慢性硬膜下血腫

なんて長いこと更新していなかったのでしょう! 1年半・・・ びっくりです。
今日書こうと思い立ったのは、私の父のことです。
父はこの秋に満90歳。
私たち娘は3人とも関東に家を持ってしまい、88歳の母と2人だけで秋田に住んでいます。
今年の3月、毎年恒例の、両親と私たち3姉妹+それぞれの家族で2泊3日の旅行に行ったとき、父がずいぶん足が弱って、手も利かなくなってしまったと感じました。
毎日散歩して鍛えていても、足が弱るんだ・・・
あんなに器用で、絵も描くし、何でも自分で作っていた父が、指先が利かなくなって、さぞ悲しいだろうと寂しく思っていました。
5月にはいってから、父が急に足が弱くなって、すぐ転ぶようになり、足に力が入らなくて立ち上がるのも苦労するようになった。
5月16日(水)母に電話した時・・・タクシーでかかりつけの内科に行き、父は診察室でも転んでしまった、何度も父を起こすので母も腰が痛くなった、お医者さんに、紹介状を書くから脳研へ行くように言われた・・・と聞いて、私は実家へ帰ることにしました。
母は私が帰ると言うと、とても喜んでくれました。
あちこちに断り・お詫び・キャンセルの連絡をして、夫や子どもたちにも、実家へ帰るので留守よろしく、特に「来週の生活クラブの荷受をお願い」と頼み、妹たちにも連絡。
17日(木)は生活クラブの配達の日で、班の6人分の消費材が我が家に届きます。
班のみんなと配達の方にも「来週は居ないので・・・」と話しました。
18日(木)は地区の試食会。私が居ないと相方の地区委員にとても負担をかけてしまうので、一緒に準備をし、13時半で早退させてもらうことに。
16時22分大宮発の新幹線「こまち」に乗るため大宮駅に向っている時、母が電話してきて、父が今日(18日)脳研に入院し、20日に手術予定だと!
手術!と驚く一方で、早くに秋田へ行く決心をしていて良かったと思いました。
秋田駅に着くと、脳研(脳血管研究センター)に直行。
夜の8時過ぎでしたが、すぐに主治医がCTを見せて説明してくれました。
「慢性硬膜下血腫」・・・頭蓋骨すぐ下の硬膜と脳の表面との間にゆっくりと血液(血腫)が溜まる状態で、高齢者に多い。お酒を多く飲む人、高血圧や血液が流れやすくなる薬を飲んでいる人はリスクが高い。軽い頭部への打撲などが引き金になり、徐々に血液が溜まることで脳を圧迫し、数週間から数ヶ月後に、頭痛がしたり、なんとなく元気がない、言葉が出にくい、尿失禁、麻痺、歩行がおかしい、急に認知症が進む、等の症状が出る。
治療は、頭蓋骨にドリルで穴を開け、ドレーンという管をつけて自然に血腫が流れ出るようにして病室に戻る、1時間で終わる小手術。そのドレーンは次の日に抜くという。
手術承諾書やその他色々な書類にサインをしてから、実家へ帰りました。
次の日から、母と毎日病院に通い、手術の日は、朝9時から夕方までずっと詰めていました。
幸い手術は成功し、父は29日に退院しました。
私は退院までは居られず、26日夜に帰ってきてしまいましたが、父が喜んで「手が治ったから、退院したら飛行機凧を作る」と言うのを嬉しく聞きました。
そして思うのです。3月に一緒に旅行をしたとき、もう血腫はできていた。私に知識があって、この病気を疑い、脳研に行くように勧めていたら、父は転んだり、ボタンもはめられないという惨めな思いをしなくてすんだのに・・・と。
これを読んでくださっている方々のご家族、お知り合いに、上記の症状の方がいらしたら、年だから、認知症だからと諦めずに病院で頭部CTをとることを勧めてください!
これを言いたくて、この日記を更新しました。
脳研は、他県から来る人も多いからですが、父が手術した後も、「茶碗をポロッと落とすようになって・・・」とか、「認知症だと思ってたら違うんだと・・・」と、次々に同じ手術をしてドレーンを付けた人が入って来るのです。年間40〜50人来ると言っていました。
何はともあれ、父が回復したことに感謝! そして脳研という良い病院が近くにあって感謝です!