朗読教室 カラスの話とツバメの話

今日の朗読教室でマリ先生に聞いた話。
マリ先生は趣味で陶芸と機織りもなさっています。 先日、陶芸の先生のお宅へ行った時、高所作業車が来ていました。 陶芸の先生のお宅は広い公園のそばで、庭に高い松の木があり、そこにカラスが巣を作ったのだそうです。 子育て中のカラスは気が立っていて、下を通る人を攻撃するので、何とかしてくれと苦情が来たとのこと。 それで陶芸の先生が市役所に連絡して、高所作業車が来てカラスの巣を壊して落としているのだと・・・
ヒナが落ちて、見物人たちが「落ちた落ちた」と笑っているのが聞こえる。 カラスのお母さんはきちがいのように鳴き叫んでいて、その声を聞いたマリ先生は、カラスのお母さんがかわいそうでかわいそうで、涙が出て止まらなかったそうです。 人間だってカラスだって、子どもを思う気持ちは変わらないのに、なんて酷いことをするんだろうって、私たちに話しながらも、マリ先生はボロボロ涙をこぼしていました。 私たちはそんなマリ先生が大好き! もう何も創る気持ちになれなくて、陶芸の先生が少し嫌いになって、「帰る!」と帰ってきちゃったそうです。 そんな直ぐに市役所に連絡しなくても、ヒナが巣立つまで待ったって良かったのに、彼女の裁量でどうにでもなるのに、ヒナを殺して平気だなんて・・・やっぱり子育てをしたことのない人には子どもを思うお母さんの気持ちが実感として分からないのかもしれない・・・

朗読教室の仲間に、公民館に勤めているOさんがいます。 カラスの話を聞いたOさんが話してくれた話。
Oさんの公民館にツバメが巣を作ったのだそうです。 館長はじめ4人でその巣を眺めながら、この巣を守りつつ、公民館の人が糞などで被害を受けないようにするにはどうしたらいいか、下に棚をつけようか等と、散々考えたそうです。 それなのに、次の日 見に行ったら、下に石がたくさん落ちていて、ツバメの巣も壊されて落ちていたそうです。 心無い人が石を投げてツバメの巣を落としてしまったのです。 4人ともすっかり気落ちしてしまって・・・ ただ1つの救いは、まだ卵を産んでいなかったことだと話してくれました。