雪のにおい

朝、雨戸を開けたら「雪のにおい」がした。
「どんなにおい?」と聞かれても言い表せないけれど、子どもの頃から、「あっ! 今日は雪のにおいがする」と度々思った。 そんな日は、そのときに降っていなくても、後に雪が降ってくることが多かった。

風邪がなかなか抜けなくて、未だに声がかすれている。
微熱もあったので、水曜のコーラスは休んだが、木曜の朗読会は、先生の送迎を任されているし、月に 2回しかないので、出かけて行った。
車の中で、マリ先生が「今日は寒いね」と言って、私は「今朝は雪のにおいがしたんですよ」と話した。
今日の参加者は 10人。
マリ先生が「車の中で、彼女が、今朝は雪のにおいがしたって言ったのよ。 私、面白いなあと思って・・・」と話された。
私の隣に座っていた仲間が「うわぁ〜! さすが雪国育ち! 雪のにおいがわかるの?!」と私の肩をたたいた。
先生も含めた今日の11人の中で、北国出身は私だけ。
私以外の 10人は、みんな「雪のにおい」がわからないと言う。
そうなの?? 私にはこんなにも なじみのにおいなのに・・・ 雪のにおいを嗅ぎわけるのは雪国育ちだけなんだろうか。

故郷を離れて何十年にもなるけど、「今朝は雪のにおいがする!」と感じることが、毎冬に数日ある。